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ペルーの伝統レシピ:Pollo a la Brasa(ポヨ・ア・ラ・ブラサ) 本格マリネと燻製風味のローストチキン
ペルーの伝統レシピ:Pollo a la Brasa(ポヨ・ア・ラ・ブラサ)
本格マリネと燻製風味のローストチキン
Pollo a la Brasa(ポヨ・ア・ラ・ブラサ)は、ペルーの代表的な料理で、鶏を丸ごと炭火や薪、ガスで回転させながら焼くローストチキンです。現在ではセビーチェを超えるほど人気があり、ペルー文化省により「国家的料理」として認定され、家計調査における食品バスケットにも含まれています。
起源
この料理は1950年代にリマ市のアテ地区・サンタクララで誕生しました。考案者は、スイスからの移民であるロジェ・シュラー(Roger Schuler)。当初、養鶏に苦戦していましたが、ある日、家政婦が炭火で鶏を焼いているのを見て着想を得ました。
彼はエンジニアの**フランツ・ウルリッヒ(Franz Ulrich)**と協力し、複数の鶏を均一に焼ける回転式の特製オーブン「ロトンボ(rotombo)」を発明しました。
この仕組みを活かして、1949年12月19日にレストラン「ラ・グランハ・アスール(La Granja Azul)」を開店。これが現代の Pollo a la Brasa の始まりとされています。
発展
1957年、リマ市内に「エル・ランチョ(El Rancho)」というレストランが開店し、都市部での人気が高まりました。当初は裕福な層の料理でしたが、1970年代には一般家庭でも親しまれるようになりました。
当時は塩のみで味付けし、炭火で焼き、フライドポテトと共に手づかみで食べるシンプルなスタイルでした。今日でも基本的なスタイルは変わりませんが、調理法や設備は進化しています。
現在は木炭・薪・ガスを使用したオーブンで焼かれ、**ウルリッヒの協力者であったエリベルト・ルイス(Heriberto Ruiz)**らによって技術も洗練されました。
ペルーの伝統的な Pollo a la Brasa のレシピ
このレシピは、家庭や炭火・石窯で行われていた伝統的な調理法に基づき、シンプルかつ典型的な材料を使い、ペルー文化に根ざした味わいを再現します。
材料(鶏1羽分)
マリネ液:
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丸鶏(約1.5kg、放し飼い鶏推奨)
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チチャ酢またはりんご酢:大さじ3(チチャ酢はペルーで一般的)
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ライム果汁:大さじ1
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にんにく:6片(潰す)
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クミンパウダー:大さじ1
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黒こしょう(粗挽き):大さじ1
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パプリカパウダーまたは**アヒ・パンカ(Ají Panca)**パウダー:大さじ2(あると本格的)
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海塩:大さじ1
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ローズマリー(みじん切り):大さじ1(乾燥でも可)
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油(コーン油またはピーナッツ油):大さじ2(または動物性脂)
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オレガノ:小さじ1
伝統的な焼き方(理想)
土釜、炭火焼きオーブン、または蓋付きバーベキューグリルを使用
燃料は木炭+フルーツウッド(マンゴーやアンデス産ユーカリなど)
作り方
① マリネ液を作る
大きめのすり鉢(またはボウル)にすべての材料を入れ、よく混ぜて香り高いペースト状にする。
② 鶏肉の下処理とマリネ
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鶏をしっかり洗浄する。
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背中側から開いて平らにする(「a la brasa」は「炭火で」の意味で、チキンはバタフライ状または開きにされる)。
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マリネ液を全体にたっぷりと擦り込む。可能であれば皮の下にも。
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鶏をバナナの葉または清潔な布で包み、冷蔵庫で最低12時間(理想は24時間)漬け込む。
※昔はビニール袋ではなく布や葉を使っていました。
焼き方
炭または薪で火を起こし、炎が落ち着き、しっかり赤い熾火になるまで待つ。
鶏を回転串に固定し(手動でも可)、間接的な熱でゆっくり焼く。
焼き時間は約1時間半〜2時間、数回回しながらマリネ液を表面に塗り直す。
仕上がり目標:皮はパリッと香ばしく、肉はジューシーでスモーキーな風味を持つこと。
伝統的な付け合わせ
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Papas doradas(焼きじゃがいも):皮ごと茹でるか、灰の中で焼くアンデス産じゃがいも
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サルサ・クリオージャ:赤玉ねぎスライス、ライム果汁、アヒ・アマリージョ(黄色唐辛子)、コリアンダー
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自家製ソース:油、アヒ(唐辛子)、にんにく、ライム、塩をミックス
文化的背景
Pollo a la Brasa は 1950 年代に誕生しましたが、そのルーツはアンデスの炭火調理に遡ります。
もともとは家族の祝いや特別な日に、手間をかけて丁寧に作られていました。
この料理のスモーキーな風味は、人工香料ではなく、本物の木材の煙から生まれます。
また、使用される調味料や材料もすべて天然のものが基本です。